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Anniversary

「おめでとーっ!!」
 ふわり笑った少年の言葉に、俺は少し考えてからあぁ、と呟いた。
 今日で、俺が生まれて“四年”になる。そのことを言っているのだろう。
「ありがと、クー」
 頭を撫でながら言えば、少年―――クーは「えへへ~」と嬉しそうに笑う。これじゃ主従関係が分からないな、という言葉はとりあえず頭の片隅に置いておいた。

 俺が生まれる―――それは、霊である俺が召喚者であるクーによって、この世界へ現われる“権利”を得た、ということ。
(…凄いんだよな、本当は)
 “召喚者”と“霊”の関係がここまで保つ事なんて珍しい―――というより、殆どない、という話を聞いた。大抵の場合、霊の力に召喚者が押しつぶされるか、召喚者の横暴に霊が耐え切れなくなるかのどちらかだ、とも。
 俺はクーのことを考えながら自分の力を使っている意識は持ってない。ただ、はちきれんばかりの力を使いたいように使っているだけだ。
 クーの体のことも別に気にしてもいない。あの話を聞いた後にクーに問いかけたときも、「全然問題ないからっ」の一点張りだったし。…ただ、激しい戦闘の後にたまーにクーがふらふらになっていることがあるから、そのときは体を支えてやるけれど。

 ―――つまり、それだけクーの力が強い、ということ。
 召喚者として天才的な素質を持っている、と言われたことだって少なくないらしい。

「…でもなー…」
 目の前であはは、あははと笑う少年(一応15歳らしいのだがとても見えない)からは、どうもそのイメージを持てない。その様子を見ていると、尊敬の念さえ忘れて溜め息を吐いてしまう。
「あ、何だよ、なんか文句あるのー!?」
「ないよ。それじゃあ、次の街に着いたらパーティーでもしようか、とは言っても豪華な食事を食べるくらいだけど」
「うん、そうしよう!…あ、でもお金…」
「だ、か、ら、次の街に着くまでは相当頑張らないとな?」
「えー、勘弁~」
 楽しみの直後に辛い話を持ち出せば、クーはがくっと項垂れる。まぁ、苦しいのはどちらも一緒なのだけど。
 その様子に少し笑みを浮かべると、俺は彼の手を引いて走り出した。


★Thanks for 4th Anniversary of "Elemental Wings"!!★
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