When you return to ... -WISH-






誰かのために生きることが僕の存在理由だとするならば、
そのために僕のいのち、全てを捧げましょう。
例えその結果魂が消えてしまっても。
例えその結果僕が僕でなくなってしまっても。
構わないのです、それが唯一つの存在理由なのだとしたら。
…そう、きっと…構わない、のです。

なのに、何故でしょうか。
この心が、胸の奥が、どうしてか、疼くのです。
自分は必要のない存在だと、そう言われた事さえあると言うのに、
自分は必要のない存在だと、何度も何度も、自分に言い聞かせたというのに。
消えてしまっても構わない、と、何度も何度も、しっかり心に決めたというのに。
消えたくない、と叫ぶのです。心の奥深く―――どこかで。

 「こんにちは、未来の僕」
だけど、ごめんなさい、まだ君に会うわけにはいかないのです。
僕はただ、一目散に走ります。
静かに刻々と迫り来る未来から、目を背けます。
 「どうして逃げるの?」
問われても、答えるわけにも、足を止めるわけにもいきません。
足を止めたらきっと、優しい未来が僕を―――…

 「溶けていくのが、融けていくのが、たった一つの答えだろう?」
未来が、悲しげに小さく呟いて、僕はふと足を止めてしまいました。
そして振り返り見れば、彼は孤独に独り立ちすくんでいて、
じっと僕を見つめるだけ―――他には、何もしてきません。
 「…最初は、そうだと思ってた。それしか未来(みち)はないって思ってた」
僕は彼から目を背け、小さく、しかしはっきりと言います。
 「だけど、探していた見えない答えがどこかにあるはずなんだ」
だから、探しに行くよ。いまから、それを。
真っ直ぐに顔を上げると、視線が重なりました。未来は、少し間を置いて、
…こくりと、確かに、頷きました。
 「わかった。…待ってるよ、君の答えを」
 「必ず、戻るから。だから、もう少しだけ、時間を」
うん、と未来は笑い、とん、と僕の胸を押します。
その瞬間、見えた世界が全て反転して、光も闇も混ざり合って、一つになりました。

 「…約束したから…必ず、        」
ひとりぼっちになったせかいで、僕はぎゅっと手を握り締めます。
そして、前も後ろも見えない、誰も予想できなかった未来を、
一歩、踏み出しました。


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Q.オリジナルサイトの5周年だよね?
A.13の子じゃないよ!ほんとだよ!!

…最大の敗因は、drammaticaを聴きながら書いていたことのような気がします(笑
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