電撃DS&Wii インタビューまとめ

☆Daysはミッションモードありきで制作していったので、最大の4人でプレイした時の操作感などを快適に調整するのに苦労した。
DSのフル3D作品としては、キャラのアクションがかなり豊富になっており、ミッションモードのほうにも相当な負荷がかかってしまったため、当初考えていた仕様をいくつか削った。
「できればWi-Fiにも対応させたかったのですが、同時処理量の問題で断念しました(笑)」

☆前々から(DSが世に出るよりも前から)、DSでKHを出さないかと誘われていた。しかし、そのときは他の制作進行との兼ね合いですぐに着手できず、まずはすばせかを制作することになった。
それである程度DSというハードの特徴をつかんだので、Daysの制作に踏み切った感じ。
「『すばせか』で任天堂さんからバックアップしていただいたこともありますね」

☆すばせかとDaysはシステム部分のコンセプトが全く異なっているので、培ったノウハウをどうこうという応用は通用しなかった。
「そもそも『すばせか』は「DSの機能をフル活用する」というコンセプトで作っていたのですが、『KH』はその考えにマッチしないと思っていました。ですから、『すばせか』がタッチペンを多用したゲームだったのに対して、『Days』はほとんどボタン操作のみですむようになっています」
バトル中に悠長にペンを抜き差ししている暇はないだろうと考えて、そこは割り切った。パネルカスタマイズやチャットなど、ペンを使用できる場面もあるが、基本はボタンのみ。
「結果として、DSで制作した2つの作品がDSをまったく真逆の使い方にできて、よかったなあと思っていますよ」

☆(マップやアクションなどは、従来のものが忠実に再現されていますね、というインタビュアーに)「とくにアクションについてはたいへんでしたよ」
KHは、飛んだり跳ねたり転がったりととにかく操作キャラのアクション数が多い。ミッションモードだとそれらのアクションを接続している各々のハードで読み合わせる必要があったので、かなり無茶をした。
当初、全員がばらばらのマップに自由に行けるようにしたかったが、処理の問題で流れた。ギャザリングゲートで全員一緒に移動するポイントが用意されたのもそのため。
また、マップの制作には気を遣った。「ファンの方がプレイしても違和感がないよう、細かい背景の作りこみや移動したときの距離感なども合わせています」
新規のマップもあるが、多くはシリーズに登場したものを再現している

☆メンバーの武器は、数が多くて苦労した。
「見た目が変化するのが1キャラあたり20種類以上あり、それが十数キャラぶんですからね。コスチュームも変えられたらよかったのですけど、今回はアクション数を優先しました」
ムービーなどは、最初から何処にどれだけ割り振るか決めていたので、後から困ることはほとんどなかった。ただ、一番容量を食う部分だったので、調整は重要だった。
「初期PVにあった映像のなかでやむなく削ったシーンなどもありますが、それでも全体で40分以上のムービーは確保できましたよ」
予想はつくと思うが、ムービーは後半の見せ場に集中している。
最新のPVで公開されている映像は、ほぼそのままDSで出せるように頑張ってもらった。「やはり見せる以上はそれなりのクオリティがないとダメですからね」
ムービーに入ったノイズを消すために、スタッフが3Dキャラのテクスチャーをわざわざ作り直すという丁寧な作業をこなしている。そのおかげで、かなりキレイに映るので、楽しみにしていてほしい

☆(バトルはボイスつき?という質問に)「それはもちろんです」
通常の攻撃時や、リミットブレイクを発動したときにもボイスの演出が入る。ただ、容量的にメインはテキストの会話になるので、そういう場面ではリアクションボイスを盛り込んだ。
「これは『すばせか』にもあったシステムで、ちょっとした会話の表情づけなどにボイスが入ることがありますよ」

☆パネルシステムは、KHCOMのカードデッキの延長戦から思いついた。ただ、野村氏が最初に書いた企画書は『隣接したもの同士の影響』というコンセプトのみで、パズル的な形にしたのは現場のスタッフ。
「単に隣接関係を考えるだけでなく、そこにパズル的な要素を組み合わせることで、限られたスペースをどう生かすか楽しめるようにしたんですね」
パネルシステムは、ミッションモードのときにさまざまな遊び方ができるようにという狙いもある。魔法やアイテムなども全てパネルにしてしまうことで、組み合わせ方次第で遊び方に無限の可能性が生まれると思った。
パネルによるレベルの上げ下げはMONOTONEの影響。MONOTONEでレベルを『買う』というシステムにしていたことで、今回もここまで大胆な発想ができたと思う。
パネルは本当にカスタマイズし放題なので、ミッションモードも飽きることなく楽しめる。
「同キャラの選択はできませんけど、例えば誰かが自分のマイキャラを使っているのを見たとき、「あ、こんなこともできるんだ」という発見もあると思います。逆を言えば、それくらいカスタマイズできないとミッションモードは面白くないと考えていました」

☆(ずっとレベル1などの縛りプレイも可能?という質問に)「アリだと思いますよ(笑)」
開発初期に野村氏が企業説明に行った際、「レベル1であとは全部ポーションだけ、なんて装備もできるようにしたい」と言った。
そのため、極端な話、ミッションモードで誰かをアイテム係にしてしまうことも可能。
「パネルの数はたくさん用意しましたので、ぜひユーザーの方々なりの自由な遊び方を見つけてほしいですね」

☆魔法の威力は、意識して従来より高めにしている。今回は完全に回数制なので、無闇に連発できない分『中必殺技』くらいの威力にした。
「回数制といっても、エリクサーやエーテルの使用は自由なので、それほど縛りの要因にはならないかと」
雑魚的には使用を控えてボス戦のために取っておく、という駆け引きなども楽しめると思う。
(ボス戦の攻略に魔法が重要だったり?というインタビュアーに)「むしろかなり重要かもしれません」
ボス戦だけでなく通常のミッションでも魔法は大活躍するので、使いどころが重要。敵の中にも弱点属性などがあるので、そこをうまく狙って魔法を当てると直接攻撃より効率がいい。
「正統な「必殺技」である「リミットブレイク」は、強力ですが本当にここぞというときにしか使えないので、魔法が活躍する場面は多いです」

☆(リミットブレイクのモーションを全員分作るのはかなりの作業量だったのでは?という質問に)
「じつは「リミットブレイク」にはその先に隠し技があります」
それを含めて全員分用意してあるので、ミッションモードのボリュームも大変だった。
モーションについてはロクサスを基本にしていて、ロクサスの動きが決定したあとは方針が定まったので、他のキャラの分もすんなりいった。元ネタは、これまでのシリーズで使用してきた技などが多いので、ファンの人は楽しみにしていてほしい。
「過去に自分たちを苦しめた技を今度は使う側に回れますから(笑)」
(ピンチのときしか使えない設定は最初から?という質問に)「入れるとしたらそういう設定にしようと決めていましたね。あと一撃食らったらやられるけど切り札はある、といったスリルを盛り込んでみたかったので。いつでも自由に使える技にすると、強力すぎるためにそれしか使わなくなる恐れがありましたし」
わざとHPをギリギリにして、いつでも発動可能な状態のまま戦うなどの選択もユーザーの自由にできるようにした。
「「リミットブレイク」は、発動後に任意のタイミングで攻撃を仕掛けられるので、ミッションモードでは声を掛けあいながら連携を取ってください」
(リミットブレイクは攻撃範囲が広く、味方を巻き込んでしまうものが多いので、)「ミッションコンフィグで味方からのダメージ判定をアリにすると、阿鼻叫喚になりますよ(笑)」
ミッションモードでボスと戦っているときなどは、「いざというときはオレごと攻撃しろ!」といった戦略も可能。遊び方によって、協力にも対戦にもなりうるのがミッションモードの醍醐味だと思う。
ミッションモードの『競争』部分については、ディズニー側の希望だった。「敵として登場したXIII機関を操作できるなら、協力よりも競争の構図がいい、ということですね」
機関のメンバーたちも、フレンドリーな関係というよりは競い合っている方が似合うので、マッチしているとは思う。
「自分としては、あの協力&競争の構図は『マリオブラザーズ』の2人プレイに近いと考えていますね。助けているのか対戦しているのかわからない、あの微妙な空気の感覚です(笑)」

☆(今回の主人公をロクサスにした意図は、)「これまでの『KH』シリーズはすべて時間軸がつながっていたので、どうしてもファン向けになっていたんですね。今回ソラではなくロクサスを主人公にしたのは、ファンの方はもちろんのこと新規のユーザーさんを受け入れやすくするためでした」
そのため、Daysも全くの新キャラを主人公にする可能性があったが、多人数プレイでXIII期間を使いたかったこともあり、ロクサスをチョイスした。
ソラは、物語中で話題に上ることはあるが、この時間軸上では眠っているので、「直接登場してどうこうということは……」
そもそも、KHIIでソラの冒険は一区切りついているので、彼にはしばらく休んでもらおうと決めている

☆ロクサスは、ワールドの住人を物陰から観察するような客観的な接触がほとんど。「一部のワールドでは住人と会話することもありますが、一応機関のメンバーなので」
ソラは積極的に絡んで物語を進めていったが、ロクサスはそれとは別のアプローチでかかわっていく。
また、ディズニーキャラクターに関して「出会うと時間軸的に矛盾する」キャラは登場させていない。例えばアリスは、KHで助け出されて元の世界(元々住んでいる場所)にいるので、今回ワンダーランドでは登場していない

☆(シナリオは、)「諸事情によって当初よりメインシナリオを自分を多く担当することにはなりましたが、それほど苦労することにはなりませんでしたね」
むしろ、(普段は担当するといってもシナリオのプロットや重要な台詞の部分だけだったので、)台詞まわりの多くを自分が書くことになったことの方が大変だった。
(メインキャラは『心がない』という設定だが、台詞を書くときもそれを意識したのか?という質問に)「それはちょっと深く言えない部分なんですね」
KHIIでアクセルが「ノーバディにも心がある気がする」と言っていたが、そのあたりとつながる話になっているため。
ただ、台詞を書くときは普通のキャラと同じように書いている。無闇にノーバディであることを意識して無機質な性格にはしていない

☆(KHIIをプレイした人はロクサスが本作で迎える結末を想像できますよね、と言うインタビュアーに)
「シリーズ経験者なら、ロクサスの結末を知りつつも機関員時代に何があったのかを知る楽しみがあると思います。反対に、まったく事情を知らない新規の方は、ゲーム中のロクサスと同じ視点で物語を追っていく形になるのだと思います」
とりあえず言われたことをこなしていく、この構図はロクサスと同じ境遇なので、これはこれで面白いと思った。
野村氏自身は制作に深く関わっていて、事情を知らないと言う立場にはなれない。だからこそ、これまでの出来事を知らない新規のユーザーがこのゲームをプレイして同感じるかは興味深い

☆(ロクサスは、KHIIでは悲しいイメージがありましたが…というインタビュアーに)「残念ながら、ロクサスは今回もせつない思いをすることになってしまいます」
野村氏が書く話は、どうも悲しい内容になりがちで、結果としてキャラが辛い思いをしたり悲しんだりする物語になってしまう。
「この作品のキャッチコピーとして自分が考えたのは、「もう思い出せない大事なこと」です。ぜひゲームをプレイして、この言葉の意味を考えてもらいたいですね」

☆シオンは、「現在判明している姿まで肉付けされたのは」Daysのなかだが、存在自体はKHIIの頃から考えていた。
「「ロクサスが機関を抜ける理由に、ある人物が関係している」とまでは頭のなかにあり、それは同年代の女の子だろうなぁ、とイメージしていましたね」
シオンは性格づけに紆余曲折したキャラで、初期はもっとロクサスをライバル視した女の子だった。しかし、スタッフ総出の意見でもっといい子にしてほしいという要望から、現在の性格に落ち着いた。
主人公に対して、どのような立ち位置にするかというのはいつも迷う部分。結果的に、感情移入しやすいキャラになったと思う。
(フードを外したシオンを見て、ロクサスが驚いているシーンが気になります、と言うインタビュアーに)「時計塔でのやり取りですね。あそこはストーリーの核となるシーンですので、ぜひお楽しみに(笑)」

☆タイトルの『/2』は、解釈は色々できるしこれといった答えも明言しない。『2』という数字が何を意味するのかは、ゲームをクリアすると別の可能性も浮かぶと思う。
パターンは一つではなく複数考えられるので、クリア後にもう一度考えてみてほしい。そうやってあれこれ考えを思い巡らせること自体が正解かもしれない。
「もちろん、自分のなかでは考えはまとまっています」


☆codedは、今はストーリーを作り置きしている状況。配信しようと思えばもうできるのだが、そうなると何ヵ月後かに制作が追いつけなくなってしまう。
「ですが、いよいよ『Days』の発売後に間を置かずに配信予定です」
codedとアバターキングダム(以下AK)は、ちょっとしたリンク要素を導入するつもり。具体的には言えないが、AKで買い物をするとcoded上でなにかいいことが起こる予定。
現在既に遊んでいるユーザーは、codedが始まったらちょっとお得かもしれない
(codedには、ファンならば見ておきたいシーンなどもあるのですか?という質問に)「そうですね」
純粋にゲーム部分のボリュームもかなりのものになっているので、手にとって遊んでもらいたいと思う。
codedには、時間軸上で一番未来の話―――KHIIの先の展開について触れるシーンがある。少しでもシリーズの今後の展開を知りたい人は、プレイして損はないと思う

☆BbSは、制作自体はちゃんと進んでいて、現在はボイス収録を休日返上で急ピッチに行っている。
ハードがPSPなので、操作感やグラフィックは過去のシリーズに一番近いテイストに仕上がるかと思う。BbSはシリーズ経験者でも事情を知らない立場でプレイすることになるので、「新発見の事実がきっと多いですよ」
マップは新規のもので、何より3人分のストーリーが詰まっているので、ゲームのボリュームもかなりのものになる。
「年内発売に間に合うよう、がんばらないといけませんね」

☆(codedやBbSの先の構想は、)「もちろん、考えています」
今回、リリースが最後になるBbSは、1作目よりも過去の話をしつつ、同時にKHIIの先を予感させる構成になっている。
「『BbS』が終わったあとは、休ませているソラにそろそろ動いてもらうかもしれません」

☆現在、野村氏が一番関わっているタイトルはFFVersusXIII。しかし、タイトルごとに忙しい時期のピークなどもあり、今はちょうどBbSで四苦八苦している。
「できることなら、『BbS』を予定通りに完成させて、サッと出せる状況にしたいんですけどね」
今後のDSでは、何かしらの制作は視野に入れている。構想が頭にあり企画書にしていないだけ。
「ですが、今は発表済みのタイトルを1つずつ片付けないと(笑)」

☆「『Days』のウリは何と言ってもミッションモードです。過去にGBAの『KHチェイン オブ メモリーズ』で2人対戦はありましたが、今回は最大4人で遊べます。シリーズ初の「みんなで楽しめるキングダム ハーツ」をぜひプレイしてみてください。シリーズ未プレイの方も、遊びやすいDSで発売されるのを機に、『KH』という作品に触れていただきたいですね」
関連記事
GO TOP