ニンドリ 『キャラがみ』インタビュー内容

野村さんがインタビュー受けていたのでこっちもまとめてみました。
珍しく原文そのままです。


【3Dを想定されたキャラ作りされていますか?】
自分の場合、キャラクターを作るときに3Dキャラクターの完成系を頭の中に思い描いています。紙に描いたキャラクターは、「キャラクターの指針」くらいに考えています。
それを3Dモデルにするときに、相当細かくチェックして指示を出すことで初めてキャラクターが完成していくんです。
自分は、紙に2Dキャラを描いて終わり…じゃなくて、ゲームにキャラクターをきちんと落とし込むまでがキャラクターデザインなんだと思っているんです。
そういう作業があって、スクウェア・エニックスのCGキャラは、精度の高い「愛着のわくキャラクター」になってるんだと思うんですね。

【イラストを描くようになったキッカケは?】
自分がイラストを描き始めた時期はハッキリ覚えていません。何となく覚えているのは、子供のころ、家族はみんな働いていて、一人でスケッチブックに絵を描いて遊んでいたようなんです。おそらく、絵を描き始めたのはそのころなんでしょう。
物心がついたときには、イトコたちと描いたマンガを本にする遊びをしていました。高校は美術コースのある学校に通っていましたが、自分はいわゆる「絵画」的な絵をあまり好きではないこともあって、イラストに近い方向の絵を描いていたんです。例えば、写実的な人物を描く場合でも、風景はこの世界のものではない空想の世界のものを描いたりとか…。まぁ、そんな感じだったので、美術の先生が天野喜孝さんの絵を見せて、「こういう方向性もいいんじゃないか?」と言ってくれたんです。そこで天野さんの存在を初めて知ったんですが、それからは天野さんの絵のファンになりました。
それから数年後、就職活動の一環として就職情報誌を見ていたとき、天野さんの『ファイナルファンタジー』の絵を見つけて。なにか運命的なものを感じましたね。それで、直観的に「ここだ」と思って、スクウェアを受けたんですね。

【メインキャラクターをデザインすることになったキッカケは?】
『FFVI』の企画会議ですね。当時、自分は会議用に使うキャラクターの絵やジョブのアイデアなどを用意していましたが、『VI』に登場する「ダリル」は、その会議の段階で設定となる絵がまだなかったんです。自分はセッツァーとシャドウの設定をいろいろ考えていて、「ダリルはこんなイメージ」という絵をリアルタイプとデフォルメタイプの両方を描いていたんです。その絵をたまたま坂口さんが見ていて、「横向きのキャラの元絵を野村に描いてもらおう」という話になったんですね。
その流れもあって、『FFVII』ではメインキャラクターの担当になりました。自分としては、『FFVI』で横向きの3頭身キャラを描いてから『FFVII』のキャラクターデザインになったので、いまだに自分は「ゲーム中に登場するキャラの担当」だと思っています。僕の中の『FF』キャラのイメージは、いまだに天野さんなんですよ。

【キャラクターのファッションへのこだわりは?】
流行のものを取り入れるという考えは、特にないですね。ただ、ファッション誌は普通に買って見ているので、そのとき目に付いたものを取り入れたりはします。
自分がキャラクターデザインを担当する前は、ゲームのキャラクターに対して、あまり愛着を持っていなかったんですよ。どうしても、ファンタジーというか、夢の世界の住人という感じで、身近に感じることができなかったからなんです。だから、自分がキャラクターデザインをすることになったときは、現実と夢の中間くらいで、もう少し身近に感じられるキャラクターにしようと思って描き始めたこともあって、ファッションにも現代的なものを取り入れているんです。

【キャラクターを作り出す手順は?】
方法は人それぞれですけども、自分は頭の中に完成形があるのではなく、描きながら考えるタイプです。そうそう、キャラクターデザインをするときに、1人のキャラの案を何枚も描かないタイプで、最初に描いたものをそのまま完成させてしまうんです。自分は、1キャラに何パターンも描けるほどマジメではないので(笑)。
1人を描いたあとに同じキャラの別パターンを描こうとすると、自分の中では新しいイメージがわいてしまい、2人目を作った感じになるんです。だったら、もったいないので、どんどん違うキャラを描いていったほうがいい、と。

【今まで絵を描いてきてよかったと思うことは?】
「愛されるキャラクター」を生み出せたことですね。この先、自分が亡くなったとしても、そのキャラを好きでいてくれる人がいる限り、ロクサスやソラたちは残り続けるわけですから。
なので、いちばんお気に入りのキャラはやはり、ソラとクラウドですね。クラウドは自分がこういう仕事ができる大きなキッカケになったキャラですし、ソラは初めてゲームのディレクションを担当した作品のキャラですし…、この2人の存在は大きいですね。おそらく2人は自分のお墓に彫られることになるでしょう(笑)。
女性キャラから選ぶのは難しいですが…『KH』シリーズから選ぶとすれば、カイリですね。



【ロクサスについて】
デザイン的に言えば、ロクサスの顔はソラとまったく一緒なんです。輪郭も同じだし、顔のパーツもまるで一緒です。実は髪型が違うだけだったり(笑)。
でも、2人に正反対のキャラクター性を持たせると、不思議なもので違って見えるんですね

【KH新プロジェクト キービジュアルについて】
XIII機関のメンバーは、全員キャラクターがかぶらないようにしたつもりです。女性が少なく、おじさんが意外に多くなってしまいましたが(笑)。
これだけ数がいるといろんなキャラを組み込めますし、個性的なキャラ分けができて面白かったですね

【イラストの話】
イラストの仕上げは自分と2人のアシスタントでやっています。
タイトル数や、ディレクションの仕事が増えてきているので、線画や塗りなどの仕上げは必ず自分で行いますが、取り込んでノイズを消したり、下塗りなどの中間作業はアシスタントに指示して行ってもらっていたりします


【7つの質問】

1.人生で初めて描いたイラストは?
…さきほども言いましたがよく覚えていません。ただ、マンガやテレビアニメの模写ではなく、オリジナルのキャラばかり描いていました。

2.好きなイラストレーター・漫画家さんは?
…たくさんいるんですが、描いていた絵の方向性を変えたのは「TO-Y」の上條淳士さんです。リアル寄りにデフォルメされた絵にかなりの衝撃を受けましたね。

3.好きなキャラクターは?
…いちばん最初に好きになったのは「銀河鉄道999」のメーテル、もしくは「宇宙戦艦ヤマト」の森雪です。松本零示さんが描く女性キャラクターの、あの目が好きでしたね。

4.今まで遊んだ中で一番好きなゲームは?
…大きく影響を受けたのは『スーパーマリオ64』です。これは『KH』発想の原点ですからね。純粋にユーザーとしていちばん遊んだのは『鉄拳』シリーズです。新作が出ると、全キャラクリアするまで遊びます。

5.今遊んでいるゲームは?
…ちょっと前までは『モンスターハンター』シリーズを遊んでいました。今は『バイオハザード5』ですね。そろそろWiiの『モンスターハンターG』をやろうかと思っているところです。

6.この仕事をしていなかったら?
…もともと広告の勉強をしていたので、広告デザイン会社に勤めていたんじゃないかと。

7.最近、感動したことを教えてください。
…もともと無感動な人間なので難しい質問なのですが…、(熟考して)「ありふれた奇跡」ですかね。あの日常的な地味さかげんが好きで、毎週楽しみにしていました。でも、ニンドリ読者の皆さんは見ていないんじゃないかな、と思うんですが(笑)。
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