ファミ通02/10発売号 KHBbS開発陣インタビューまとめ

※仮投稿時、前半部分がブログに反映されていませんでした。大変申し訳ありませんでした。


いつものようにメモっぽいまとめです。
吉本さんがやけに面白い方に見えてきました…。


☆2005年06月の終わり頃に、野村氏に『大阪チームでKHシリーズの新作を作らせてもらえないか』という話をしたのが最初。とはいえ、当時はどの作品を作るかも決まっていなかったので、IIをプレイしながら手探りで作っていた。
最初はPS2で開発しようとしていた。ソラが主人公のプロトタイプを作っていた。そのうち野村氏がBbSの企画を書き始めたので、それに合わせて詳しい仕様を練っていった

☆BbSを作って半年ほど経った頃に、野村氏からRe:COM開発の話が来た。
「開発の締切まで、1年なかったのかな」(吉本氏)
作る過程などが大阪と東京でだいぶ違っていて勉強になったし、ディズニー作品としてどこまでクオリティーを高める必要があるかを把握することにもつながり、とてもいい経験になった

☆大阪と東京で、定期的にテレビ会議をしていたし、各セクションのリーダーがしっかりしていたので、やりとりはそこまで大変ではなかった。
「何より野村が書いた企画書がカッチリしていて、「『キングダム ハーツ』シリーズとして爽快感がある作品を目指そう」と話していましたので、方向性がブレることもありませんでした」(安江氏)
繁忙期には会社に何日も泊まり込んだりと、ここまで大変な開発は初めてだったが、みんなが自発的に動いてくれて、チームとして一体感があった

☆目標は高いほうがいいだろうということで、けっこう無茶な量の企画を用意して、さらに最初から通信要素も入れると宣言していた。
「実際には、その半分くらいしか入れられないだろうと思っていたのですが(笑)、開発が終わってみればすべて入っていて、削ったものはありませんでした。我ながら、ちょっと信じられませんね(笑)」(安江氏)
コマンドも、多すぎて全部入るとは思っていなかった。当初、野村氏から「コマンドは512個以上入れよう」と言われていたが、それは無茶じゃないかと思っていた。
「でも、あれもこれもといろいろなアクションを作って3人分のバランスを揃えていたら、結果的に1000近くのアクションになりましたから。驚きました(笑)」(安江氏)

☆(KHシリーズの作り方は、ほかのゲームと)「かなり違うと思います」(吉本氏)
グラフィックだけでなく、あらゆるパーツのひとつずつが丁寧に作られている。すべてのディテールがカッチリしていて、そこに達しないレベルのものは何も通らない。非常にハードルが高く、自然といい仕上がりになっていく。
とくにデザイナーにとってはいい経験になったと思う。東京チームから監修をしてもらい、ノウハウももらった。企画チームとしても、Re:COMに入れられなかったアイデアはもっと発展させてBbSに入れようという意気込みがあった。
例えば、フィールドを含むレベルデザイン。Re:COMはユーザーの行動に合わせて道が作られていくものだったが、BbSはフィールドの中でそれぞれに遊びを作っていった。今回のマップは立体的で入り組んでいるほか、進む道にある程度自由度があるので、探索する楽しさを出せたと思う

☆ピートの遊戯場は、クリアーには関係のない場所なので多少難しくしている。BbSは野村氏から入り組んだマップにしてほしいという話をされたので、それをとくに強く意識した場所でもある。
宝箱も、3人の主人公それぞれで違う体験をしてほしいので、場所も中身も変えた。たどり着くのに苦労した場所にある宝箱は、中身もそれに応じていいものにしている

☆プライズポットを配置したのは吉本氏。最後にコッソリ入れていた。
「不意に見つけると楽しいと思うんですよね。あと、高い場所にいるプライズポットは、攻撃すると崖から落ちてしまったりするのがイラッとするだろうなと思って、わざとそうしました(笑)」
ちなみに、プライズポットは、ストーリーをクリアーしていない場合は、そこに行けば最初は必ず出現する。
クリアー後は出現するかどうか抽選される。まず、出現場所のマップに入ったときに出現するかどうかが決まり、さらに、そこにいる敵を全滅させたり、少し時間を置く必要があったりと条件がある場合もある

☆最初はいろいろな食材を落とすグルメな敵がいて、食材を集めて何かを作るというような企画だった。それが途中でアイスを作ろうという方向になり、プライズポットでアイスの素材を集めることになった。
「『II』にシーソルトアイスがあったので、そのまえの時代にいろいろなアイスがあってもいいんじゃないかと(笑)」(安江氏)
アイスのデザインは女性のプランナーが担当した。
「最近は歌ったりしながらアイスを作ってくれるお店があるのでそれを参考にしたり、いろいろなアイスのメニューを見たりして作っていましたね」
アイスによるコマンド変化は、当初からではなく、最初はアイスはアイス、スタイルはスタイルで結び付いていなかった。
「でも、アイスをコマンドとして装備できるという考えが出てきたときに、僕の中で盛り上がっちゃって採用しました(笑)」(安江氏)
開発初期に野村氏から「いろいろなコマンドを入れてほしい」という指示があり、通信用にコミュニケーションの要素も入れたいと思って、紙吹雪や歓喜などのバトル以外のコマンドなども入れた。
歓喜は、敵を倒してから使うと経験値がアップする。紙吹雪は攻撃がクリティカルになる。花火は、攻撃のダメージが7になる。挑発は、敵の注意を自分に向け、一緒に戦っている仲間をかばうことができる

☆ブレイクタイムは、見ていておもしろいものを入れたかったことから生まれた。主人公ごとにモーション担当がおり、ブレイクタイムだけは「自由におもしろい動きを作って」とお願いして作ってもらった。入力に成功するとHPとフォーカスゲージが回復するが、効果はなんでもよかった。
「おもしろいことに、担当スタッフのキャラクターが主人公の動きに反映されているんですよ。ヴェンはシャカシャカとよく動くスタッフが担当していて、ブレイクタイムもそれっぽくブレイクダンスになったり」(安江氏)
ちなみに、アクアのモーションは男性が担当している。女性らしさや、凛とした強さをどう見せるかでだいぶ悩んでいた。
「試行錯誤の過程でアクアがガニ股になっていたりして、それは男っぽすぎるだろう!ということもありました(笑)」(安江氏)

☆デッキコマンドは、IIとCOMの両方の要素が入っている。スタイルを変えたりダイナミックな動きをしたりするのはIIの部分で、デッキを構築するのがCOMのカードシステムの部分。
コマンドを組み替える戦略性を出しながら、簡単な操作で爽快感を味わえるという両方をミックスした、いいバランスのシステムになったと思う

☆コマンドチャージは、仕様の段階ではそこまで楽しくなるかわからなかった。しかし、コマンドの成長とすごくマッチングして、うまくハマった。
コマンドボードは、最初に野村氏から「すごろくのようなゲームで成長させてほしい」と言われたが、まったく意味がわからなかった。
「『バース バイ スリープ』の開発初期に野村がインタビューで「ビックリするような成長要素があります」と言っていましたが、僕らもビックリしました(笑)」(吉本氏)
コマンドボードは難度を抑え、パッと楽しく遊んで、初めての人も楽しめるようにしている。しかし、単なるすごろくとは違うものにしたくて、キューブを転がしながら移動するようなギミックを入れたりしている

☆フィニッシュコマンドの成長が通常のコマンドと違うのは、安江氏のほうで、ちょっと遊びの要素を織り交ぜようという考えがあったため。いろいろな性能を持つ技があるので、切り替えながら楽しんでほしい。
HPが0になった回数によって習得する技(ヒールストライク)は、ラストリーヴをつけていれば、本来HPが0になるダメージを受けたときに条件を満たす

☆スタイルチェンジには優先度などはなく、内部的に、使ったコマンドに応じて各スタイルにポイントが加算されていく。そして、COMMANDゲージが満タンになったときにいちばんポイントが高いスタイルになる。
トルネドを使うとサイクロンになりやすいといった、ゲーム中では説明していないけれど、特定のスタイルになりやすいコマンドもある

☆D-Linkは、野村氏から、遠く離れた人のコマンドを使いたいという話があり、通信プレイで遊んだ人のコマンドが使えるといいんじゃないかと提案した。
もともと召喚に代わる新しいシステムというコンセプトがあり、なおかつ人のコマンドが使えて、各々が持ち帰って成長させられたらおもしろいよねと話が膨らんでいった。
ディズニーの世界観を守りながら、キャラクターごとにゲージのデザインを変えたりと、手間暇をかけて作っている。ぜひいろいろなキャラクターとのD-Linkを楽しんでほしい。
ちなみに、ゲーム中に体験しておかないと、ヴェン編の最後がわかりづらいかもしれない。ちょっと特殊な演出なので、ぜひD-Linkを体験しておいてほしい

☆ほかの技もそうだが、シュートロックはとくに爽快感がコンセプトになっている。野村氏のアイデアで、最初の段階から企画書に入っていた。
「多くのシステムはいろいろと仕様が変わることが多いのですが、シュートロックに関しては最初からあの形で、野村の企画そのままの状態ですね」(安江氏)
KHシリーズでバトル中に入るシューティング要素はIIのウィズダムフォームくらいだったので、それをもっとパワーアップさせたかったのかと解釈している。それが爽快感につながったんだと思うが、そういうシステムがたくさんある分、主人公たちもどんどん強くなっていった。
「おかげで敵の強さなどの調整には苦労しました(苦笑)」(吉本氏)

☆開発に参加していたスタッフは、大阪チームは50人弱。東京チームと分業でやっているが、BbSはけっこうな量を東京でやっている。大阪はバトル部分をおもに担当していた。
「スタッフ全体の規模で言うなら、HD機のゲームを作れるだけの人数が関わっています。だからこそ、あれだけのボリュームが出せました」(安江氏)

☆2008年くらいに3人のコマンドやシュートロック、D-Linkなどのすべての技をリスト化して整理した。そのおかげで物量などはハッキリ見えていて、3人の技のバランスなども取りやすかった。
「しかしやはり、あれだけの物量ですから、プログラマーはたいへんだったと思います(苦笑)」(安江氏)
物量よりは、シナリオの部分で、テラはこのタイミングでこの場所に行けて、アクアはこの場所には行けないといった、時系列とマップの中で行っていい場所の整合性を取るのが大変だった。
また、開発の終盤に野村氏が、仮の名称のものを正式名称にする作業を行う。今回も終盤にコマンドの正式名称が決まったが、スタッフ側は仮の名称に慣れていたためにどのコマンドなのかわからなくなってしまった

☆難易度は、いろいろと想定して調整しているが、コマンドの組み合わせが膨大な数になるので、想定外の方法が生まれてしまう。
「ふだんはあまり使っていないコマンドを使うと、こんなことできちゃうんだという意外なことが多くて、そこには苦労しましたね」(吉本氏)
デバッグやゲームバランスのチェックを行う品質管理部に、最強のバトルテスター部隊がいる。どんな敵を出してもすぐにその部隊に研究されてしまい、この方法なら簡単に倒せたと言われたりした。
「かなりいじめられた気分でした(笑)。でも、よくよく聞くと、じつは10回くらいは倒されていたりして、それなら弱くはないだろうと(笑)」(安江氏)
アクションが好きな人が遊んでも楽しめて、初心者が遊んでもクリアーできるように、どこまで強くするかという部分は悩んだ

☆開発中の思い出深いエピソードは、「最後のほうに、バグ修正をみんなでがんばったことですね」(安江氏)
他人を責めるのではなく、みんなで一丸となって何とかしようという流れがあり、ちょっと感動した。
「あれだけ文句を言わずにやったのはチームの誇りです」(安江氏)
今回、チームとして非常に成長できたと思う。自発的に検証してくれたりして、すごく助かった面もあった。
「ゲームのテーマである“絆”という言葉が、チームにも当てはまるなと思いました」(吉本氏)
KHシリーズの開発では最後に必ずマジックが起きると野村氏が以前言っていた。当時は何のことだかわからなかったが、開発終盤の大変な時期に、これだけの一体感が出て乗り越えられたのは、本当にマジックだと思う。
「そのとき「ああ、このことだったのか」と実感しましたね」(安江氏)

☆(次回作もKHシリーズを?という質問に)「そうですね。そうなるといいなと思っています。つぎはもっといいものを作れると思いますしね」(安江氏)
とくに野村氏はいろいろと入れたいアイデアを持っているので、それを活かしてゲームとして遊べる、ゲームらしいゲームを作りたい

☆(ユーザーからの評判は、)「わりと狙い通りの部分に反応してくれたり、好評をいただけているかと。ゲームとして楽しんでもらえているのが、チーム一同、本当にうれしいです」(安江氏)
KHファンはすごく暖かいと実感できた。
「ユーザーさんとの“絆”ができました(笑)」(吉本氏)

☆現在は海外版の調整中。
追加要素は、いろいろと企画中で、もうすぐ決まるというタイミング。しかし、もう容量がパンパンなので、どう切り詰めようか考えている

☆「皆さんからの反響を受けて、『キングダム ハーツ』ファンが本当にたくさんいるということが実感できてとてもうれしかったです。皆さんのプレイスタイルや感動したポイントなどもいろいろと教えていただけましたので、それを糧に次回作もがんばりたいと思います」(安江氏)
「ぜひ、ラストエピソードとシークレットイベントを観てほしいですね」(吉本氏)
「ミラージュアリーナにも、どんどん挑戦してほしいです」(安江氏)
「でもメガフレアとアトモスブレイクはほどほどに!派手なエフェクトで僕が配置した敵が見えないので!(笑)」(吉本氏)
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