白銀の細工菓子






「シルフ様、受け取ってください!」
「えっ…でも」
「いいですから!」
 半ば強引に押し付けられ、シルフと呼ばれた少女は肩を竦める。
 今日になってからもらったプレゼントは、既に指では数えられない数になっていた。誕生日でもないのになんでだろう?と、思わず考え込んでしまう。
「大量じゃないか?シルフ」
「…フォーグ」
「モテる女はつらいよ~、ってか?」
 笑いながらフォーグは駆け寄ると、キレイに包まれた箱の一つを手に取る。一ヶ月前に何をあげた、というわけでもないのに、随分と豪勢な“お返し”である。
 最も、それすらも人の感じ方次第で、あくまでもフォーグがそう思った…というだけなのだけど。
「色々貰っちゃった…お返し、どうしたらいいのかな」
「お返しも何も、コレ自体が“お返し”だろ?」
「だって、私、お返しを貰うようなことなんて何もしてないわよ」
「まあ、確かにな~」
 続けて取った箱からは、チャリ、とお菓子とは到底思えない音が響いた。高級品と判断しそっと袋に戻すと、シルフには聞こえないようにそっと呟く。
「…あんまり有難がっても、シルフの肩身が狭くなるだけだろ…気付いてやれよ」
 普通の女の子として接して“これ”なら、まだ許されるのかもしれないけれど。フォーグは溜め息を吐き、再びシルフを見ると懐から小さな包み紙を取り出した。
 フォーグも?と首を傾げるシルフに、にっと笑って返す。
「安心しろ、0.5倍返しだ」
「?」
「ホワイトデー、ってこと」
 言われて漸く気付いたのか、シルフは「そっか!」とぽんと手を打ってプレゼントを受け取る。
 嬉々としてリボンを解き始めるその姿を見て、フォーグは思わず笑みを零した。やっぱり、“等身大”でいる時の彼女が一番かわいいと思う。
 包みの中から豪勢なチョコレートが顔を出すまで、フォーグはシルフをじっと見つめていた。





ホワイトデーおめでとうございますネタがねええぇぇぇぇぇ!
ということで、ブログでは久々の突発落書きでしたとさ。
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