FC2ブログ

光放つ星 #4

「・・・嘘・・・だろ・・・!?」
 覚悟はしていたけれど、こうまでもあっさりと・・・!?
 新夜は、足ががたがたと震えている事に気付き、太ももを殴りつける。今、こいつの力に呑まれる訳にはいかなかった。

「・・・兄さん!」
 その時、幼い声が響く。

「佐奈・・・?馬鹿っ!来るんじゃない!!」
 新夜は必死に怒鳴るが、佐奈は全く聞かずに新夜へと走り寄る。
「佐奈!離れろよ!」
「嫌!絶対離れない!私、兄さんと一緒に居たいの!」
「だから・・・!!」
 もう一度怒鳴ろうとすれば、返されるのは膨れ面。何を言っても聞かないからね、という色を含んだそれに、新夜はやれやれ・・・と溜め息をつく。

「・・・!?」
 ・・・その時、何かが反応するような“痺れ”を感じた。

「・・・痛っ・・・!」
「やだっ・・・何これ・・・!?」
「ぐぅぅ・・・なんだ、この力は!?」
 化け物のその声に気付き、痺れに耐えながら新夜と佐奈は化け物を見る。化け物は、砕いたはずの束縛に再び縛られ、しかもそれが解けず困惑しているようだった。
「・・・もしかして・・・佐奈、ちょっと上着脱いでくれるか?」
「こんな時に何言ってるのよ!兄さんの変態!」
「いいから脱いで!」
 渋々佐奈が上着を脱ぐと、その首筋で“何か”が光っていた。

「・・・“光放つ星”・・・?」

「え・・・?だってこれって、確か・・・」
「馬鹿な!二つ揃うわけがない!我がそういう呪いをかけたのだ!」
 もがくような化け物の声に、良い事を聞いた、というように、二人は化け物を見つめる。
「・・・なるほどな、そういうことか。・・・俺ひとりの術が効かなくて当然だったんだな」
 見せる笑顔はなんだか怖く感じられて。
「やめろぉ!」
「佐奈、いけるか?」
「うん!」
 そして、二人は化け物を見つめなおすと、にーんという笑顔を見せた。

「やめろぉぉぉぉ!!」
 化け物の、その叫びは空しく響く。


「なるほど。そういうことだったんだな」
 麻月はこくこくと頷きながら言う。
「今まで封印が不完全だったのも、“光放つ星”が不完全な状態だったから、だったんだな」
 新夜はそう言いながら階段を登る。そして、登りきった所で木陰を見た。
 そこでぐっすりと眠るのは佐奈。
「全く。まだ子供だってのに頑張るんだから、この子は」
「そういうところが佐奈のいい所だけどな」
 眠る佐奈の頭を優しく撫でると、麻月は向き直り、呟く。
「・・・そういう所はあんた似」
「そうか?」
「僕は、あんたのそういうところに惹かれたんだからな」
 クスリ、と、麻月は笑うと、新夜を追いかけて階段を登る。

 その背で、太陽が昇り始めていた。


<Fin.>
まとまってないけどー!!
関連記事
GO TOP