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Ways #2

挑発的な五つの台詞
4.「逃げるのか?勝てないから?」

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「・・・レナ?」
 リミットはじっとレナを見つめる。レナは、こくりと頷くと、続けた。
「私たちは、ある人物によって捕らえられて、こういう状態にさせられてしまったの。・・・本当は、こんな争い事なんて、したくないの―――」
 レナは言うと俯く。リミットは、「う~ん・・・」と思案すると、こくりと力強く頷いた。

「・・・勝てないから逃げる、なんて、絶対嫌だから」


 事が決まった後の彼らの行動は―――早かった。

「スカイ様、エイル様、レナ様!何を考えているのです!?」
「どいて!」
 止めようとする者を力で屈服させ、四人は進んでいく。
 スカイの力は、刃に風を纏い『かまいたち』で攻撃する“風刃”。
 レナの力は、一目見ただけでどんなに扱い辛い魔法も瞬時に使いこなせる“絶対魔法”。
 エイルの力は、重力や空間を完全に支配する“次元支配”。

 ・・・はっきり言って、この三人だけでも逃げられるんじゃないか、と、一緒に進んでいるリミットは、つくづく感じさせられてしまうのだった。
 そんなリミットは、魔法も使えず、あるものといえば短剣がひとつ。

「・・・なぁ、何で俺が必要なんだ?」
「・・・ちょっと、な」
 ぽつぽつとスカイが返す。・・・彼は、どうやら人と話をするのをあまり好かないようだった。

 その時突然、前を走っていたエイルとレナが立ち止まる。思わず急ブレーキをかけたリミットだったが、止まりきれずにバランスを崩し、隣で難なく止まったスカイに支えられていた。


「・・・ほう、逃げ出すとはいい度胸だな?」
「・・・っ!!」
 エイルとレナは、目の前に立つ男に構える。
「しかも、戦おうと?・・・全く、誰のおかげでその能力を得たと思っているのだ?」
「求めて得た力じゃない!」
 そう言い切り、エイルは飛び上がるとその手のひらを男に向ける。すると次元の歪みが生じ、男を呑み込んだかのように見えた。

 ・・・が。

「甘いな」
「うぁっ!?」
 男に向けたはずの攻撃は、そのままエイルに返ってきていた。ドン、と鈍い音がして、エイルは屈み込む。口の中には鉄の味が広がっていた。
「・・・かは・・・っ」
「エイル!」


「・・・え?今・・・」
「あの男の能力だ。逆転能力―――自分に向けられた技は、全て術者に撥ね返る」
 よく分からない、と言いたげに、リミットは首を傾げる。その肩に、ポンと手が置かれた。

「・・・ただ、な。ひとつだけ返せないものがあるんだ」

 リミットがスカイの表情を見たとき、スカイは―――笑っていた。





    To Be Continued...





次で終わります。必ずっ!!
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