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Ways #3

挑発的な五つの台詞
4.「逃げるのか?勝てないから?」

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「返せないもの・・・?」
「そう。―――“物理攻撃”。特殊な力がかかっていない普通の攻撃を、防ぐことは出来ないんだ」
 言われて、リミットはハッとして自分の腰に挿してある短剣を見る。

「・・・俺に、しか、できない・・・。そういうことか?」
 スカイは、満足気に笑った。


「行くぞっ!」
 スカイは、そう叫ぶと剣を掲げる。
 そこに集うのは強い風。剣を振り下ろすと、風はそのまま刃となり、男に襲いかかった。
「甘いな」
 男は笑いながら迫る風に手を添える。すると、風は軌道を変え、スカイへと襲いかかった。
「ぐぁ・・・っ!」
 強い衝撃に、スカイは飛ばされて壁に背を打ち付ける。
 しかし、その表情は“苦痛”ではなく―――

 “笑み”、だった。

「かかったな・・・」


『りゃぁぁぁぁぁっ!!』
 上空から声がして、男はハッとして見上げる。そこにいたのは、全く目にかけていなかった雑魚だった。
 その雑魚は、短い刃を振り下ろし、着地する。

 ぽた、ぽた・・・と、紅い雫が滴り落ちた。


「考えたものだな」
 リミットは、血がついたままの短剣を男に向けながら男を睨みつける。
「・・・貴様、よく見たら“奴”に似ているな」
 男は、目を細めながらリミットを見つめ―――そして、続けた。

「ランギスの・・・息子か?」

「!!・・・父さんの事、知ってるのか!?」
 リミットはハッとして、思わず剣を下ろして問い返す。
「あぁ、知っているとも。―――我に傷をつけることができた、最初の者だ」
 まさか再びその剣に傷をつけられようとはな。男は笑いながら、傷口を舐める。
 ・・・鉄の味は、慣れているつもりだった。しかし、改めて味わってみると、あまり味わいたくないものなのだと実感させられる。
「我に傷をつけた男・・・気に入ったぞ」
 男は小さく笑うと、強い波動を発生させる。

「いけない!」
 レナが叫んだ時には、遅かった。
 波動は、男とリミットを呑みこみ、消える。


「―――何だよ、ここ・・・」
 漆黒の、闇の中。見えるのは、銀の輝きを放つ刃のみ。
≪・・・選ぶが良い≫
 男のものと思われる言葉は、空間に異常なまでに響き渡る。
≪化け物として生きるか―――死ぬか≫
 囁くように紡がれる言葉。しかし、リミットは目を閉じ、―――はっきりと、言った。

「どちらでもない。お前を倒して、人間としてここを出るッ!」
 『逃げるのか?勝てないから?』・・・そのエイルの言葉が、思い返される。
 ・・・勝てないから逃げる―――なんて、嫌だった。

「俺は、逃げない・・・ッ!」

 リミットが強く言い放つと、短剣が光を帯びる。
 それは、空間の闇さえ呑み込んでしまうほどの強い光。それによって、男の姿が露わになった。
「そこだっ!」
「!!」
 防御する暇さえ与えずに、リミットはその短剣を振り下ろした。

 光を帯び、“特殊攻撃”に値するはずの刃は、男に強い衝撃を与える。


「・・・ぁ・・・っ・・・はぁ・・・っ」
 肩で息をするリミットの前で、男は僅かに笑い、言う。

「・・・さすがは、奴の息子だ―――。貴様は、奴をも越えることができるだろうな・・・」
「・・・どういう、意味だよ?」
「言ったとおりの意味だ。いずれ知るだろう」
 男は、そう言い残して、闇の欠片となり光の中に散った。


 それと同時に、光が砕ける。


「リミット!」
 目を覚ました瞬間、リミットはレナに抱かれていた。
「れ、レナ?」
「心配したんだからっ!」
 その声は涙声で。・・・『化け物』じゃないじゃないか、と、リミットは思った。


「親父さんを探すのか?」
 エイルの言葉に、リミットはこくりと頷く。
「・・・父さんに会って、殴って、家に帰らせる。何で、五年も家を出てたんだ、ってな」
 リミットの言葉に、レナはクスリと笑った。
「リミットらしいね」
 ・・・そう、言いながら。




≪『ジョーカー』が倒されたようだ≫
 空間に、声が響く。
≪あのジョーカーが?まさか。信じらんないなぁ・・・。どうすんの?≫
 返し、問い返したのは、幼い声。

≪・・・邪魔者は、抹殺する。それが、我らの求めるものへと向かう道程だ≫
 一段と低い声が、響いた。

≪そうだね・・・ランギス≫
 幼い声は、言いながら、クスリと笑った―――。





・・・続いてるのか続いてないのか。
とりあえず『Ways』は終わりです。

さて、次のキャラどんな子にしようかな。
ってか連作やだな(爆死


あ、因みに、レナ・エイル・スカイはこの話の後ちゃんと逃げました。
・・・こう書いておけば出さないよな、うん。
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