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In the Dark Sight

挑発的な五つの台詞
2.「ありえねぇ…普通やらねぇよ、普通はな」





「カナタ」
 呼ばれて振り返ると、青い髪が見えた。
「何ですか?」
 仰々しく溜め息をつきながら返すと、青い髪の男は呆れつつ言った。

「負けたお前に、新たな任務を与えてやろう」

「それは喜ばしいことで・・・って言うと思ったか?」
 カナタはその男を睨みつつ言う。その返答が予想済みだったように、男は返した。
「・・・まったく、これだから“闘技会”というのは困る」
「裏切り者を追っかけろ、とかいう任務だろ?絶対嫌だね。逃げた奴等の気持ち、わからなくもないし」
 カナタはそう言い置くと逆方向へ歩き始める。

「・・・カナタ。誰のお陰でお前は生きていると思っている?」
「さぁな。強いて言うなら自分のお陰、ってトコか?」
 浴びせた冷笑に、男は溜め息をつく。こう言い出すと、何があっても聞かない。それがこの男だ。
 仕方なさげに、男は小さく呟いた。

「お前は、命の危険にさらされようとも構わないだろう。・・・だが、“彼女”はどうだ?」
「・・・!!」
「人体実験の道具にはうってつけだからな」
 ククッと面白おかしいものを想像したように男は笑う。カナタが睨むように見つめた視線は全く届いていないようだった。
 男は笑うのを止めると、勝ち誇ったように言う。
「良いか?お前は、私には逆らうことなど出来ないのだよ」
「だからって、こんなイメージ見せるか?ありえねぇ・・・普通やらねぇよ、普通はな」
 カナタは呟く。苦虫を数十匹まとめて噛み潰したような表情を見せながら。
 苦痛に満ちた表情に、男は更に笑った。・・・どうやら、こんな表情をさせたのは男自身だったようだ。

「・・・っと、悪いな。最悪野郎・夢与のランギスには、常識なんて通用しないんだっけか?」
 まだ残る『魅せられた夢』の気持ち悪さ。それを何とか堪え、カナタは吐き捨てるように言う。
 男―――ランギスは、チラリとカナタを睨むと、ほくそ笑んだ。そして、そのままカナタの手を引く。
「・・・逆らう権利はありません、ってか?」
「当然だ」
 あっさりと・・・すっぱりと返されて、カナタはやれやれ・・・と溜め息をつくと、そのまま薄暗い通路へと消えて行った・・・。





短いですが、これでも難産だったんですよぉ・・・orz

ランギス=リミットの親父さんです。戦うのか戦わないのかは水野の性格の悪さ(!)に委ねられていたりします(苦笑

久々に他の作品の影響を受けなかった気がします(ぁ
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